2015年8月21日金曜日

2015年8月21日 親父の誕生日

親父、70歳誕生日おめでとう。
70歳の親父だったら何を考えてたかな?
何を想像してたかな? 何をやりたかったかな?
色んなことを考えてしまうけど、でもやっぱりあの「ソウルフル」なピアノサウンドは変わらないだろうね。親父の真骨頂だもんな。俺が親父の好きなところはそのソウルフル(このソウルというのは黒人の・・・とかではない。本田竹広自身)でありながら叙情的なんだ。的じゃないな、叙情なんだ。ごめん。


親父の最初のコンサート、1969年9月の紀伊国屋。
そのタイトルも「破壊と叙情」だったね。まさに親父の人生そのもの。地で行ってしまったね。
その叙情性の集大成があの「ふるさと」なんだな。きっと。
そしてプラスここがただじゃ転ばない親父のいいところなんだけど、美味しいパーカッション3人を加えてしっかりとしたワールドミュージックにもなってる。そこにちゃんと着目してるところに、親父のヴィジョンの先を感じるよな。
でも昔から童謡は弾いてたよね。さくらさくらとかは宮古のシティーホテルのライブで聴いた。あとCD-Rだけど明日に架ける橋のメドレーでふるさと弾いてたね。そうそう、この前の俺のピットインの3デイズの最終日、日野さんとのデュオの時にさなんと日野さんが「ふるさと」吹いたんだよ。びっくりしたよ!俺は絶対に親父が日野さんに吹かせたんだと思ったね。確信してる。図星だろ?ね。やっぱりジャズってのはスピリチャルだと心の底から思った瞬間だった。
そうそうプーさんがそっちに行ったよ。親父の先生みたいなもんだもんな。
あの世では一応先輩かも知れないから、あっちのやりかたプーさんに教えてあげてね。まあでも先輩後輩もないかもしれないし、もしかしたら古澤さんが親父に「本田っ!!!」なんて嬉しそうに叫んでるかも知れないね。
話し戻るけど、親父の叙情が好きだな。
今聴こえてくるピアノの音とか音楽は震災後ということもあって暗い音楽とか情念的なものは凄く嫌われるというか、なんとなくご法度というか隅に追いやられてる感じだね。
「泣」がタブー見たいなんだよな。なんでだろうね。
泣きたい時は泣けばいい・・・なんて歌詞なかたっけ?それでいいじゃないかな・・。頑張れる人ばっかりじゃないし、どうしても立ち上がれない人だっているじゃないか。例えばアニメのガンダムなんかは歌詞の冒頭が「立ち上げれ、立ちあがれガンダム〜」って歌詞だから「今」人気があるかも知れないし普遍的な人気かもしれない。やっぱ三上寛さんは最高だね!本音だもの。
頑張ろうとか、愛してるとか、絆とか、でも人間てもっと深い深い生き物なんだと思う。思考する生き物だし、感受性もあるし。それはもう形而上では計れない、得体のしれない生き物なんだ、と思うな。そういったことを言葉すると何か「軽さ」を感じてしまうんだけど、それこそ「今」親父の音楽必要なんじゃないかな。親父のピアノで泣かせてくれよ。こころに複雑に絡まった糸を解すようにきっとみなのココロに沁み渡るよ。皆のココロが浄化されるよ。泣いて泣いて泣くんだよ。
話変わるけど、昔、初代のルパン三世見てたんだけど、ルパンをさコンピューターでルパンの行動を「計算」するんだ。で、次にルパンがなにをするかを予測して先回りして逮捕するっていう。まあ話なんだけど、それでルパンがいいこと言うんだよ。
「人間には気まぐれってもんがあるんだよ」
たまにはアニメも面白いよ。
親父は黒人になりたいなりたいって若い頃言っていたね。
でも親父のソウル(つまり破壊と叙情)はもう黒人をも超えてしまったよ。超越した。とっくに。いや別に鬼籍に入ってるからとかじゃなくて、生前のあの「ふるさと」や「NOW ON THE BLUES」をつくった時にはもう既に黒人を超えてたといいたいんだ。俺が思うにあのまま親父がピアノを弾いていたらもう親父は「宇宙」に行ってるな。宇宙。宇宙のピアノだよ。親父が一番最初に到達した初の領域の音楽だよ。俺は親父のこと尊敬してるよ。今でも、今でも大好きだよ。だから親父を見つけたとき額にチューしたじゃない。
とにかくもっともっと話したいこといっぱいあるんだけどね、また次ね。
親父ぃ〜 I LOVE YOU
珠也